月曜日

150126

1月最後の週末。楽しいこと、悲しいこと色々。問題なく生活できているから幸せなんだろうけど、悲しいことは少ないほうがいいと欲張りな気持ちを失くさなければと成長がみられない34歳。どこへ向かおうか。

冬の夜

みなさん今夜は静かです
薬鑵の音がしています
僕は女を想ってる
僕には女がないのです

それで苦労もないのです
えもいわれない弾力の
空気のような空想に
女を描いてみているのです

えもいわれない弾力の
澄み亙ったる夜の沈黙
薬鑵の音を聞きながら
女を夢みているのです

かくて夜は更け夜は深まって
犬のみ覚めたる冬の夜は
影と煙草と僕と犬
えもいわれないカクテールです

空気よりよいものはないのです
それも寒い夜の室内の空気よりもよいものはないのです
煙よりよいものはないのです
煙より 愉快なものもないのです
やがてはそれがお分りなのです
同感なさる時が 来るのです

空気よりよいものはないのです
寒い夜の痩せた年増女の手のような
その手の弾力のような やわらかい またかたい
かたいような その手の弾力のような
煙のような その女の情熱のような
炎えるような 消えるような

冬の夜の室内の 空気よりよいものはないのです

(在りし日の歌 中原中也)

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